2008年03月10日

1200万人都市の胃袋

 年に一二度、東京に赴くようになって久しいのですが、どうしていままで思いつかなかったのだろう?行くたびに食の情報を探して、Webを探索するというのに、意識にひっかからなかった。
 東京で、旨いものをたべたければ、築地に足を運ぶべきだ、という事実。

 ホテルでぐだぐだと朝寝を楽しみたいと訴える身体を叱咤して、食欲の声だけに耳を傾けて、出かけました。週末、土曜、ということもあり、築地のひとごみは田舎者には驚異のひとこと。観光地化はしていますが、要するに市場なので、狭い通路を観光客と、配達の業者が入り乱れて、カオスな状態。場外市場という一般人向けの市場でも、ラーメン、もつ煮込み、そば、海鮮丼、と屋台に毛の生えたような狭い店舗から、抗いがたい魅力を放たれていますが、ここは我慢。食べられるのは一食のみ、そりゃあ頑張れば2食分ぐらいは食べられますが、無理矢理詰め込むのはあさましく感じるので、テリー伊藤の兄の卵焼きの店などを横目で睨みつつ(買う気はない)、いそいそと築地市場の場内に。

 地理がさっぱりわからない中、人の流れに乗っていると、まるで運命のように目的の店が現れました。

 豊ちゃん


 Webでどこでなにを食べようかな? と調べてまして、ここが第一目標と定めてました。そのときの気分で別の店にしてもいいなと考えてましたけど、まっさきに眼前に現れてくれましたので、ここに決定。

 洋食の店で、フライものに定評があるようです。
 でもWebでぼくの魂を捉えて放さない、メニューがありました。

 生かきのあたま(1120)


 牡蠣を甘辛いタレですこし火を通し、卵でとじたもの。「あたま」とは丼のごはんと具を、べつべつに提供するという意味です。

 うひゃあ、牡蠣の粒が大きい。それが6身ほど、卵で緩やかにまとめられて、ちんまりと鎮座しています。
 卵とかタマネギとか、味を確かめつつ鷹揚に牡蠣に迫っていきたいところですけど、ここは大胆にまず牡蠣を口に運ぶ。
 うひゃあ。
 これは! 身のみずみずしさ、広がる磯の香り、ならではの喉で感じるような深い旨み、そして咀嚼に逆らう貝柱の確かな歯ごたえ。旨い。つくづく、旨い。
 モノが違う。素材が違う。この辺のスーパーで売っているパックの牡蠣の貧相でくたびれた牡蠣ではなく、もっちりと太って、歯に触って弾けるような、すばらしい身。貝柱が食感でわかるというのが、その質を端的に表しているでしょう。
 じつに幸福な時間でした。

 週末ということで、人出がすごい。
 築地ですから、やはり海鮮系に人気がありまして、牡蠣による多幸感に酔っているぼくですら驚くような行列ができています。でも、閑散としている店もあり、人出は局所に集中している。ぼくは魚にあまり興味がないので、寿司という選択は最初からなく、待つことはなかったんですが、たしかに、築地に来て、魚を食べないというのも、もったいないという気もします。何たって、世界最大の魚市場ですしね。  
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Posted by guntech at 08:57Comments(4)豊ちゃん