2007年05月04日

シンプルだからこそ

 ぼくは学生時代、吉野家でバイトしてました。
 そこで知った牛丼の秘密は、タレ漉ししたあとのタレで炊いた肉は旨いということです。
 タレ漉しは、店の入客によってちがいますが、日に一度か二度行う作業です。肉鍋のなかから煮た肉を除き、下部にある排出口からタレを抜き、それをシルクの漉し布で包んでワッシャワッシャと振って、タレと煮崩れた肉のカスを分離する作業です。両手で握れないくらいのくらいの、肉の泥状のカスがでます。(各時間帯の盛り役の技量により増減します。上手い人ほど少ないです)
 この作業でキレイにしたあとのタレで煮た肉はうまい。
 さっと熱を通しただけでの肉はしゃぶしゃぶ感覚で肉の味が楽しめますし、すこし煮込めば、パーフェクトな牛丼ができあがります。このときはタマネギは熱が通って柔らかいものよりも、シャキシャキのものもうまいです。バイトにはまかないとして牛丼一杯が付きますので、カスタムメイドは思いのままですが、漉したあとのツユダクは格別です。タマゴと絡めると、またひとしお……なんですが、タマゴはまかないの内には含まれませんが。

 で、日付が変わるまでの牛丼提供の、現在の吉野家……
 タレ漉しするタイミングは、当然、日付が変わったあとにするはずで、それはタレ管理の面から見ても、たとえば20時にタレ漉しするよりは、提供の終わった24時以降にタレを漉して、翌11時の提供に用意するということが理にかなっているはずで。

 23時過ぎの牛丼


 日曜日だったので、入客が多い。しかし曜日に関わらずタレ漉しの時間は決まっている……ちょっと残念な感じでした。これをバイトくんの責だと責める気はありません。
   


Posted by guntech at 10:04Comments(0)吉野家